君ゆえの音/
ノクターン
貴方は確かめるように
探るように
ゆっくりと私をなぞる
私はささくれた棘が
貴方を傷つけないかと
息を潜め身構える
何かあったの?と
問うような瞳で見つめる貴方は
髪に触れ唇をよせる
私の内の溜息を
貴方は吸い取って
甘い溜息に変えてささやく
『逢いたかったよ』
その中で
私は ハラハラと
落ちる棘の音を聞いた
戻る
編
削
Point
(3)