さあ/flame
誰もが持っている暗い闇を右手でしっかりと撫で付けて
廊下を走って流れる風を身体で受けて後ろへ流そう
可哀相な世界を抱きしめたブランド志向の人を翻訳して
愛を知っているつもりで与えたのは悲しみだけで
あっという間に灰色を味わい八つ当たりした
コマーシャルの合間に翻訳済みの薄い真実を垣間見る
棺桶に足を突っ込んで偉そうに語る人が語ったのは
鼻毛程の重さの意味すら持ってなかった
扉を叩いて開けて進んだ世界はヤカンが沸かした蒸気みたいで
刹那の幸せのように、一瞬の地獄のようにそこらを飛び回る
夜明けを見るため色眼鏡を外して
ラムネを左手に抱えて
風鈴がひぃりんと啼くまで
自分とにらめっこ
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