犬/
太郎冠者
前足に触れたら
さっとひいた
白いお前
おびえているのか
さびしいのか
煙草臭いからか
鉄が飛び交うさなか
寝そべったお前は
生温かい塊
押し当てた手に
安心が芽生える
だがお前は人のもの
ピカピカの自転車に
つながった大きな無聊
ならば俺は犬になって
お前を愛そう
肛門をかがせてくれ
戻る
編
削
Point
(1)