かなしみ/船田 仰
まるでどっちでもいいみたいに
二人して机に頭を乗せてる
カフェにてお目覚めですか、かなしみ
頻繁にノックした傷跡を
軽いボールペンで埋めて
きっちり一言分の誤差で
あたしときみは噛み合わないのかもね
充電のきれた、言葉。のあつまりを、
置いて行けなかったり
すごすごと泡になって消えるかなしみ
動悸になるならもっとお洒落に
涙を誘うくらいにしてよ
好き、の棘を、
とうめいから赤に変えてよ
ほんとはきっと、
多分
どうしようもないかなしみ
くちびるの端で取れそうもない
ゆがむメジャーを足で押さえたまま
みっともなく歩いているのに
戻る 編 削 Point(6)