ボールパークに夢を 〜海を渡った侍 松井秀喜に捧ぐ〜/服部 剛
 
昼食を食べに近所のファミレスへ
夏の強い日差しの下
ふらふら自転車をこいでゆく

クーラーの効いたファミレスに入り
腰を落ち着けると
壁に取り付けられたテレビの中は
ニューヨーク・ヤンキースタジアム

ウェイティングサークルから
白木のバットを握り
ヘルメットのつばの下に口を結んで
どよめく歓声の中 ひと足ずつ 打席へ向かう 松井秀喜

数日前の試合でひねった足首には
見えないソックスの内側にテーピングをぐるぐる巻いて
海を渡ってもなお連続試合出場を続ける日本の侍に
観客席は今日も波立つ

ジャイアンツのユニホームを着ていた頃
東京ドームの白い屋根を突き破ら
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