透明の中で/
フォマルハウト
あの日から
わたしのからだは
透明なゼリーに
くるまれていて
それはずっと
あなたの温度を保っている
その感触は
やさしくて あたたかで ぷるるん
いつまでも
その中にいてはいけない気がして
ある日
抜け出そうともがいてみたら
それはますます皮膚に吸着して
永遠にわたしを閉じ込めた
だから今も
息苦しいあなたの温度の中で
わたしはひとり生きている
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