イカサマ /梼瀬チカ
 




まさか』
どこからか声が聞こえてきて
私はまた還っている
こうやって砦を守りながら
薄い生命線をじっと見つめる
タイマーがリミットを知らせて鳴る
「ハイ三千円ね」
その占い師の顔を見ている内に
したり顔でおまえの人生全て判っていると想っただろ?」
と聞こえた気がして
占い師がイカサマ師に見えてくる
あんたっだってそうなんだろうと言いながらニヤリとして
私が金を払うと
「どうも有り難ね」
いつの間にか私の顔した
イカサマ師はそう言って
笑った







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