下手な鉄砲/みもる
詩を書くときは
つらつらと頭に浮かぶ情景を
言葉で紡ぐ
君と話すときは
顔色をうかがって常に一歩先を読み
少ない引き出しから言葉を選ぶ
お前と話すときは
くだらない楽しいことだけが
自然と言葉にでる
困ったときは
口を噤む
それが最大の武器
でも本来は
ほんとの瞬間が来たときに
その武器を使うべきだ
すべてが無意義になるその瞬間に
いつか真っ白の部屋の真っ白のベッドで
愛する人たちに見送られて逝くとき
僕はただその人たちの手をとって
僕はただその人たちの瞳を見つめていたい
すべてが有意義になるその瞬間に
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