雨のあいだに/竹節一二三
 
チョコレート色の夜が
しずくに溶けて 流れ出す
とろりとろりと
自分ばかり見て
しずかに ひそかに
排水溝へ落ちてゆく

私の足元を
暗い色のしずくが
うずを巻いて とりかこむ
逃れられるはずもなく
私もともに 沈みゆく

ふりかえらないときめたのに
まえをみると きめたのに
空へ伸ばした指先まで
のまれ
しずくに溶けて 流れ出す

明日をつかむときまで
梅雨の合間に手をのばす
みずたまりに映る
私でないわたしと戦い

あめのあいまに
すわりこむ
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