意外とバイパス/木葉 揺
し
普段の口のあけ方は○でなくて△なんだ
そう力説したところで
ごろん!
と丸め込まれて
そのまま近くのスタバまで転がされてしまいました
だけどやはりコーヒーを一杯注文すると
参考書の56ページが気になり
彼のサクセスストーリーが進んでゆくほど
滑車の実験の図を自分で描いてみたくなり
「あの時どうして授業をさぼったのか」
悔やまれたのです
ずずず・・・
コーヒーがかなり減りました
とうとうお話は「恒星と惑星の違い」に展開し
耐えられず半泣きになって
「そのオチだけは言うなーー!!」
と叫んで
薬指にフィンガーパームしておいた五百円玉を
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