意外とバイパス/木葉 揺
アホの振る舞いは
小さい頃に母に叩き込まれたから
自然と所作として表れる
でもバイパスを渡るときは
高校球児のようにお守り握って
全てを忘れて決死の勝負
渡りきって汗をぬぐい安堵感いっぱい
で、そんなとき
さとみくんのマネがしたいのか
テレクラティッシュの要領で
横からフッと二本指で
名刺を差し出し微笑むサラリーマン
お昼過ぎにはある話です
私は慌てて自分の身なりの汚さを恥じて
「カクカクシカジカピーポーポー」
というと
「そんなことは見りゃわかるよ」
と改めて徹夜で読破した参考書の威力を知るのです
だから一つのデータとしての「営業」
に対し
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