ギャンブル落ち武者/チャオ
 
麻雀に負けた。と言っても、いつものことだ。僕は麻雀が弱い。弱い理由は、頭が悪いからだ。人生は麻雀のように運だけでは渡れない。半チャンが終わるたびに、僕は落ち込んでいく。
「もしも、あと一手早ければ」、「もしも、あのハイが先に来ていれば」・・・。歴史にもしもはない。僕は痛烈なマイナス点を稼ぎ出し、翌朝の快晴の空を仰ぐ。小鳥が鳴く声が聞こえる。不愉快な気持ちと寝不足な気持ちとが混ざり合い、小鳥とカラスを間違えそうな気分になる。実際、そんなに変わらないとでも思ってるのかもしれない。人間に羽が生えたらカラスかもしれない。そんな夢を見たことがあったようななかったような。
押しても、引いても負けるなら、攻
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