いふ/室町 礼
 
この地表を覆って
ヒマラヤの遙か上を翔ぶ
イヌワシ

空の句読点のようなおまえに
心があるなら

その翼でわたしの
寒い背を
包んでみせてごらん

おまえの黒マントのなかで
ひとときの夢が
むかしのトーキーのように
雨だれるなら

わたしのために
そんな小さな
映画館になってくれるなら

わたしは
おまえにお礼をしよう

あげるものなど何もないけど
凍える口で
下手な歌を編んであげよう
おまえを讃える
下手な歌を

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