小説の習作 原稿用紙三頁 #19/田中教平
ジの馴染みの店員に向かっていった。
ハイライトを手で掴むと、又、歩みはやく、自宅まで帰ってきて、キッチン、換気扇の下に向かい、ハイライトを喫った。
妻がそれを目撃すると
「なにしてんの、なにしてんの」
と言った。
「いいんだ、いいんだ」
禁煙薬を服していたので、不味かった。しかし彼の怒りは紫煙と共に、ある程度、昇華された。
キッチンにはウイスキーの瓶があった。まだほとんど残っていた。彼はキッチンシンクにウイスキーをぶちまけた。
──彼がピストルの所持が認められている国に住んでいたら、そこらの大木に向かって、ダンッ!と、一発撃ち込んでいたかも知れぬ。
「ああ、ああ、勿体ない事して」
と、漏らしたのは妻であった。
ユウスケ、彼は今後の生き方の方向性を整理する為に、仕事用のバッグを漁った。古いメモ類など、すべて処分した。
そして次の標的は本棚だった。
(これらの本の中から言葉を引用はできぬ。しかしこれらの本は私の身になっている)
そうして、ユウスケは静かにため息をついた。
戻る 編 削 Point(2)