泉の前で/
◇レキ
町のはずれまで来た
馴染みの林を少し歩く
小さな湧水池
その前でじっと立ったまま目をつぶる
膿も栄養も身ぐるみ剥いで
軽くなった体には
陽の暖かさがよくわかる
分かっていないこと
できないこと
遠く聞こえる
車の走る音
近頃は
毎日が小春日和で駘蕩としている
次の一歩を失って
この意味の無い僕の生について
少し思って
苦しみだけが僕を動かした
今は惰性だけで生きている
心は枯れ井戸
なんにもない
ほのかな安心だけ香る
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