ことば使い師のうた/秋葉竹
で
しっかりと
みつめあう
?佇んでいた少女は
ゆっくりと
まっすぐに
小鬼のほうへ歩く
止まった《とき》のなかを
夢みることば使い師は
ポッとほおを赤らめて
かけることばを
選ぶ
《ずっとまえから》
小鬼が少女をみあげる
《知っていた》
聴いた小鬼がちいさなベンチから
そっと
立ち上がる
少女へ向かい
ゆっくりと
ゆっくりと
歩きはじめる
こころを潤す
止まった《とき》のなかを
降り落ちる
光
だけが
ふたりに降りそそぐ
小鬼が
初めてしゃべったような
かすれた
震える声で
けんめいに
けんめい
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