影の声/後期
 


一度で足りぬのは不安があるからだろう。
不安があるということは、やはり騒がしい。

堂々巡りである。

堂々巡りと気づくのは、外から見ている証拠だ。
外から見ている者がいるうちは、内側はまだ崩れまい。
しかし、外から見ている者もまた私である。
二人の私が、頭の中で少々押し合っている。

混み合っているが、音はしない。
音がないのに混み合っているのは妙だ。
妙だと思っているうちは、大丈夫である。

この「大丈夫」が頻繁に出てくるのは、心細さの証拠だ。
心細いと書けるのは、冷静だからである。
冷静だから、心細いなどと記録できる。
記録できるのなら、やはり大丈夫で
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