河津桜/伊藤透雪
まだまだ寒いのに
君は咲いたんだね
小枝のように細くても
桃色の顔が映えて可愛らしい
小さな苗の君が
年とともに成長し
若々しい目をして
ひとつひとつ笑顔を開く
そのさまが愛おしいほど
、
早すぎる青春の狂わしい
孤独に会わぬように
陽がたくさん照り
温かな柔らかい風で
包まれますように
季節の巡りに
そっと近づいて来る
陽気と風が
春の若さを運び
愛の芽生えを胸元に
留め始める
ボタンを意識する
夢を見始めてなお
微笑みの中に
春はまだこれからの
輝きを隠している
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