カーティス/やまうちあつし
カーティスは言う
何も訊かなくていいんだよ
私たちは既に
答えとしてここに
宇宙が瞼を開いたときの
たった一つのつぶやきへの
それでも雨粒のように
質問は降り注ぐだろう
どうしてわたしが
どうしてあのとき
どうしてこんなに
どうすればそれを
びしょびしょの地球で
カーティスは首を振る
縦にか? 横にか?
それはわからない
聞こえるだろう
甲高い裏声が
今日日
こんなところは他にない
言えることの精一杯は
それだけだ
普通の声で歌わないのは
普通であるということが
ときに悲鳴のようだから
音と音の隙間から
誰か覗いている
どんな聖者も
どんな変態も
病人も大統領も
加害者でさえ
そういうふうに生きてしまった
ことは誰にも揺るがせられない
宇宙が瞼を閉じるまで
こんなところは他にない
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