咲子?/たま
。
客船ターミナルの正門らしきところを抜けると、ほぼ円形の広々とした広場があった。こんなところに公園が……と、おもって見回してみるが、床タイルを敷き詰めたフラットな広場があるだけで、それらしき遊具もなく、腰掛けるベンチひとつ見当たらない。しかも、広場にある外灯はすべて点灯されていて、三月の大震災以来、東京はおろか日本中が節電だというのに、どう考えてみても、この広場の持つ意味がわからなかった。
広場の半周を囲むようにしてガラス張りの建物があった。そうなると、広場ではなく、中庭と呼ぶべきかもしれない。駅舎のような平屋建ての建物は、いたるところに出入り口があって、背のたかい扉をあけてなかに入
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)