手放していく/はるな
いま少しずつ、自分の輪郭を理解しながら、亡霊についても考えている。なぜ彼女はわたしにずっと指を突き立てているのか、それがわからなかった。
そしてもしかして、姉はわたしに指を突き付けているつもりすらなかったのかもしれないと思い至ったとき、わたしはこの感情をどう言ってよいのかわからない。彼女がそのつもりでなくても、わたしはずっと苦しい。その指が突き刺さってまだ抜けずにいる。姉は、まだもしかしたら自分の苦しさに気づいていないかもしれない。他人に指を突き立てている自分の姿に気づいていない。それは哀れなことに思う、気づいてほしいとも思う、けれどもそれは言えない。わたしに、そこまでの義理はない。
義理はない、と思ったときに、わたしはわたしが手放したものについて理解する。
手放すと、軽くなるかと思ってた。
でも、地上に足がついたような気持ちがしている。
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