奔別/伊藤透雪
 
くらいだ。
デレキで時々掻く薪が弾けている。
雪が積もると、玄関前に階段ができる。雪投げが朝と晩になって、
スノーダンプでどんどん運ぶと、窓が見えなくなるほど高くなる。
キシキシと固まらない雪が降り、吹雪になり、山里はすっかり埋もれてしまう。

初春、川の音が少し強くなり、雪割草が氷を割っている。
ふきのとうが出始めたら、雪が溶けてポタポタと軒から落ちている。
春がやってきた。

父がタランボをたくさんもいできた。
ウドの酢味噌和えや、ワラビのお浸しが食卓に並ぶ。
各家々の庭に花が次々に咲き始め、
山の木蓮が白い斑点を成している。
春が開き輝いて、すっかり暖かくなったら山桜が咲くだろう。


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