咲子?/たま
 
さんってさ、けっこう理屈っぽいひとね」
「ほらっ、それそれ。ぼくは、む、つ、お、だよ」
 わたしの名を音読みで呼ぶのは咲子がはじめてだった。
「うん、わかってるよ。でも、リクオさんはひとりっ子でしょ? だったら、むつおさんはおかしいから、リクオさんでいいとおもうの……それにさ、リクオさんのイメージって、わるくないわよ」
 たしかに六男はおかしいとおもう。
「けど……わるくないって?」
「だって、かっこいいじゃない、おとこっぽくてさ。むつおさんなんて、魚の名前みたいでしょう? それも、浅い海で、ちょろちょろしてるやつ……」
「ちょろちょろ? ん……それは余分だとおもうけどなあ。日本中の
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