青星/リリー
 
 風が金管の旋律になって
 とうとうと胸を揺さぶり
 東の空を見あげると
 青白く輝く一番星

 電線の陰が夕闇に消える
 鈍色の舗道
 星になれない
 タワーマンションの窓灯りは
 空から降りてくる
 夜の楽団を待っている

 灯りたちは夜な夜な
 パートナーをみつけて
 ステップを踏み語らい始める
 どこか悲しい目をしたお相手の
 そのわけは聞かないで

 あたらしい日が昇る空で
 ひとりぼっちの一番星は
 都会の崖に咲く
 冬の菫

 その瞬きは、わたしにも
 さよならと囁いてくれている
 昼間の世界に幕引きして終わりを
 満喫するために
 
戻る   Point(5)