すすき野原の物語(境界を封じる釘)/板谷みきょう
な音を立てていた。
そこへ、少女が駆け寄ってきた。
影とおはじきを分かち合った、あの時の少女だった。
「やめて! おじちゃん、そこには私の“本当の名前”が隠してあるの! お母さんに言えなかった『ごめんね』も、あの“おにさん”が預かってくれてるの!」
少女の叫びを、村長は冷たく一蹴した。
「だまりなさい。お前が持っているべきなのは、家が与えた名前だけだ。余計な感情は、鬼が喰い散らかしたゴミにすぎん。私はお前たちを『きれい』にしてやるのだ。」
大工の棟梁は、少女の視線を避けるようにして、最後の一本、鉄の釘を土台に打ち込んだ。
その瞬間、土の中から這い出してきたよう
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