とおりゃんせ/夏井椋也
 
かの天神様の細道を
とても罰当たりなわたしが
たいした用もないのに
声に背中を押されて歩いている

とおりゃんせ
とおりゃんせ

行きは良い良い帰りは怖い
怖いどころか帰って来れない
それでも怖がらなくていいと
声は優しく背中を押す

とおりゃんせ
とおりゃんせ

まもなく次の選択枝がやって来る
ますます細くなっていく道の先は
夜なのか朝なのか昼下がりなのか
晴れているのか土砂降りなのか

どちらにしても次の選択肢は
「大好き」を選ぼうと決めている


戻る   Point(9)