中田満帆氏的『PERFECT DAYS』批評「悲劇を消費する人たち」/室町 礼
 
Mをみた不特定多数の最大公約数の声が、
「やさしい気持ちになりました」
「ほっこりする」
「癒やされました」
となる。わたしはこういう声がもつ不気味さについて
はよく承知しています。だって電通的知性の代表である
高崎卓馬はその連作小説「はるかかけら」の二部で突然
南インドの貧しい村にとび、兄と妹、そして母の強い絆
がたどる悲劇的な運命を描いているのですが、南インド
あたりで巨大牧場に奴隷のように従事している子どもた
ちの悲劇などまったくわかっていないで、
「やさしい気持ちになりました」
「ほっこりする」
「癒やされました」
という読後の人々のことばに変えている。
つま
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