erupt/ホロウ・シカエルボク
 

凍える夜を切り裂くように言葉はやって来る、俺はもはや衝動なのか見えざるものの意志なのかも判別出来ないまま、とり憑かれたようにキーボードを叩いている、オーバーイヤーのヘッドフォンの中では死ぬ間際のチェット・ベイカーが世界一冷たいペットを鳴らし、夢遊病のように歌い続けている、おそらく彼がそんなプレイの中で見ようとしていたものと、俺がこうして言葉を並べることで見ている景色はあまり変わりがないような気がする、だからこそ俺はいままで生きて来ることが出来たし、彼だってそうだろう、まあ、結局のところは、謎の転落死を遂げてしまうわけだけれど…おっと、俺の話じゃないよ、チェット・ベイカーの話だ、俺はまだしばらく
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