ぬくもり/杉原詠二(黒髪)
 
愛する家族をみんな失って
絶望に囚われてしまったら
最後の絶望を失ってよ
最後の絶望とは
自分が
いなくなることだと
思っていた

けれど
人は
死すべきものだった

愛と希望があなたを
温かく包んだことがあるでしょう
人である限り
どんな人にも
ぬくもりがある

すべてを投げ出して
愚かで絶望的な闘いの中にいても
ぬくもりはあなたの
中と
外にある
そのぬくもりは
あなたの心臓が作り出しているものと
同じものだ

永遠に生きることのできぬ人間は
壊れないように
そっと運ばれていくよ
それは何かの聖性を帯びた
最後の恩寵のように
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