我が家の楽園/杉原詠二(黒髪)
 
光る園の草の横を
滞りなく流れる用水路の
水の流れの上に乗りながら
葉っぱは短い旅をして
やがて一級河川に出た

あまりに眩しい光が
園を染める
風が断続的に吹き
強まったり弱まったりして
草をなびかせる

川をカモが滑った
眼を前に向けている
この川べり
堤防横の一隅が
私にとっての楽園だ
私の家は
自然環境が豊かに広がっている
町の一角
恵まれた場所にある

今日も穏やかな自然の景色と音に
囲まれながら
詩を書いている
美しさも極まれりというものだ

私に欠けているものがある
それは誰もが必死に得ようとするもの
だが私の欠けた世界も
ほぼ完全な世の表われである
そう言わねばならない

堤防の崖を茶色の石が転げ落ちていく
川に沈んだ
永遠はこの区画を支配し
変わらない
私の大切な町よ
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