Notes on The Wasteless Land. ? and ?/田中宏輔2
雄訳)で、主人公のハリー・ハラーについて、「感情において、あるときは狼として、あるときは人間として生活していた」というとき、それがハリーひとりのみならず、自己も含めて、魂の二極性に苦しんだあらゆる人間について語っていることになるのである。じっさい、ヘッセは、『荒野の狼』に、つぎのように書いている。「ハリーのような人間はかなりたくさんある。多くの芸術家は特にそうである。この種類の人間は二つの魂、二つの性質をかねそなえている。彼らのうちには神的なものと悪魔的なもの、父性的な血と母性的な血、幸福を受け入れる能力と悩みを受け入れる能力が対峙したり、ごっちゃになったりして存在している。」と。そして、「なぜ彼
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