死への哀悼/杉原詠二(黒髪)
 
死んで行くものに愛を向ける
死んだものが自分を報いるわけはない
それでもそれだからこそ
今わの際に救おうとする

その喫水線の下の見えない部分への
深い思いやり

自らを離れていってしまう
その人にとっては
この世界そのものが全部自分の愛であり
この世界から離れていくものは
自分の愛から離れていくこと

だから別れ際を送ろうとする
悲しみの接点は
深い愛に包まれて

きっと祝福はあるだろう
世界と愛を一体化したものに
心身に兆しが見え始めた

それはきっと人生の報い
たとえ死すべき運命にあるとしても
いずくんぞ生きざらんや

生の関りのすべてを飲
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