緑のバッタ/杉原詠二(黒髪)
闇の中で
緑のバッタが
凄まじい孤独の中
目を光らせていた
ひとりぼっちのバッタは
跳ねるしかすることがない
仲間を撫でる手も持っていない
キチン質の
体で
触れたい
触れたい
仲間と
世界と
同一化したい
自分を認めて欲しい
明日の朝になったら
お日様が昇る
そしたらきっと
仲間に会える
それまでの我慢
ピョン
ピョン
生まれた時は
何も知らなかった
自分は
孤独ではなかった
死んでいくその日の後
僕は
どうなるんだろう
寂しいよ
宇宙の中でたったひとり
鳴いて気持ちを
表すこともできない
その目から
涙がこぼれる
誰か僕を
なぜてほしい
喉が渇いたな
お腹が空いたから
草をかじろう
むしゃむしゃ出来たら
その間は幸せだ
そうだ
草が友達なんだ
僕は草の中にいれば
見つかって食べられることがない
草は僕を守ってくれている
僕の体の緑は
草の緑
だから僕は
草が枯れるのと一緒に死んでいくんだ
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