わたしたち/乾 加津也
 
死は怖くないと
あなたはいう
わたしとあなたの隔たりが
また一つ

これまで
いくつもの隔たりを乗り越えたわたしたちだから
今さら一つ増えたところで


 明日の朝もまた
 家の窓際に いつものヒヨドリがやってきて
 精一杯 さえずるだろう
 わたしたちは 部屋のドラセナの
 葉の様子を注意深く観察して
 かろやかに葉水をやるのだろう


隔てる なんて
もとからなかったのかも


時間と空間
そこにおとずれた彩(いろどり)と景色に埋もれていく
流れ散る映画にも似て

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