愛と病気/杉原詠二(黒髪)
 
不安なとき
寂しい時
自己慰撫をする

己のプライバシーを
守るために

私は知っている
己の壊れやすさを
だから守る

他人を守る人は
他人を愛する人は
自分を守れなかった
自分で自分を破壊しようとした
己の尊厳を守るため?
それとも壊れた心を
沈めるため?

私は他者に
己の愛を壊されることがなかった
だけれども
他者に差し出したこともなかった

のんびりとした
おぼっちゃんだったのだ

事態は急展開を迎える
病に心身を侵食され
生が成り立たない状態を
三十年間続けた

その途中で
他を愛する現実を
目にした

いままで
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