福袋が鳴らす鐘の音/
菊西 夕座
はて
蜜のように重くとろけて底をつき破り
手元には袋の切れ端しか残らなかったが
それを顔にかぶせて福面にしたとたん
首から下がおぞましい芋虫に思われ
寝袋から抜けだすように一切を脱ぎ捨て
紅一点の太陽に向かって羽ばたいたが
一転して道端に落ちていた幸に足をすくわれ
頭を打った拍子に覆面がはがれて素性が割れた
めでたくも腹ばいで口ふさぎあう餅付きだから
股ふたつ、皴深い袋をぶつけて降伏の鐘をうつ
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