水色の花/atsuchan69
 
女は曖昧の中にいた
名前を呼ばれる前の音として
女は、砂になった

 絶望せよ、
 絶望せよ、
 壊しながら、
 それでも歌え
?
砂の穴から這い出ると、
朽ちた地上は微塵の声もなく
混凝土の高架は蔦に覆われていた
 さらに、
生茂る蔦に絡まって
水色の花が幾つも咲いている
花の名前はなんだってよかった
傾いたビルが、
太陽を背にしていた
?
ひび割れたアスファルト、
崩れた街の残骸から
忘れられたことばが芽を出している
ことばたちは、
まだ死んでいなかった

さあ、ならべろ、
蔑まれたことばをならべろ
潰れた声や、
揮発性の記憶の匂い、
なんだっていい
?
人の想いが自由に咲き乱れるまで
?
水色の花よ、
名前は美しくなくていい





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