青/りつ
突き抜ける青空があんまり痛いんで
目を閉じようとしたけれど
目蓋の奥にも青い景色が焼き付いて
離してくれない
ひとが青に永遠を重ねるというのは
遠い昔に宇宙が生まれたときに
初めて見た色だから
美しい予感に震え
初めて目にしたものは
ひかり、ひかり、ひかりのこうずい
ノヴァ!ノヴァ!ノヴァ!
爆発し辺りいちめんとびちって
あんまりまぶしいんで
盲(めし)いた乞食みたいに
情けなく目を閉じて
忘れようとして忘れられなかった憧れ
永遠に咲く花は
やっぱり青い色をしていて
誰も摘めないところに存在して
だけど時折ゆめにみるから
誰もが追い求めてしまう
にんげん以外のあらゆる生き物は
まぼろしの青い花の実を食べて
刹那のいのちを完璧にいきる
ひとだけが不幸を知ってる
満たされて満ち足りても
直ぐに渇いてしまう
壊れたうつわに永遠を注いでも
刹那にしかとどめておけないことを知っているから
ひとはいつまでも
青い永遠を追い求め
いついつまでも
空を視る
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