透明な少年の記録写真/牛坂夏輝
 
イメージは白く煙りながら無花果の形の眼鏡を作り、その中に少年の夢のような不規則な輪郭がフォルムを作る。水が無限に割れて薄い紫色になって地上を濡らし、そこへ白い筋肉を持つ、裸の足が触れていく。イメージはまた白く煙りながら、しかしすぐに透明になり、青い線が一瞬走り、思想を持たない顔の下半分だけが笑いながら、しかしすぐに透明になる。「美しいものは大理石の寂寥」と言ってから、少年の肩のフォルムが現れ、実に優雅な動きで「鳥と四角形の恋愛」についての寓話を語り、そのあとに、輪郭はぼやけていき、蝋燭のように溶けて、しなやかな黒い猫となり、一声鳴いてから、振り向くことなく街路へと駆けていく。

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