涙流れて/杉原詠二(黒髪)
東の空に光が見えて
私の体を照らし出す
どうせやるなら思い切りやろう
光を浴びれば元気が出る
どんなに落ち込んでいたときも
どんなに苦しんでいたときも
命を引き渡しはしなかった
戦争で命を奪っている
ネットで詩壇でCMで
言葉を壊している
何の涙が
流れている
絶望の涙
哀切の涙
喜びの涙
悲しみの涙
心を正しくしなければ
何ひとつまともにならないでしょう
正しきものは必要なんだ
気狂い帽子屋のパーティーには
もう出たくない
だから私は賭ける
これから長く生きていくために
自分で考えつく価値を
全て命を賭けて差し出します
嘘とほんとに翻弄されて
流れ流れるわが賭けの姿を
己の目と読者の目の前で
晒し晒して行きましょう
私はけちったりしません
大切なものが
ゴミのようになってしまったこの状況
恐ろしいことはもう起こってしまった
悲しみに震えている心
小鳥のように歌える声を秘めて
明日を夢見て戦火の中で眠る
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