星へ祈る/花野誉
 

冷気で顔が痛い
町中のベランダにも
深い冬が来ている

ベランダから見える星
近視の私でも見える星

見惚れて
寒いのに部屋に戻れない

あの人も見ているといいな

勝手な想いだと
思わず笑ってしまう

でも、ほんとう

そんな日もあっていいでしょう

寂しさや
日々の苦しみに包まれて
憂いてしまわないように

あなたを想う人も
この世にいますよ、と
星に祈る

肩を組んで
いっしょに
星を見ましょう、と

この空を
ずっと見上げている









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