湯呑/泡沫の僕
 
いつも同じ湯呑みを使う。
酒を呑むのも、水を飲むのも。
あのデコボコして老人の手でも滑らなそうなあれだ。
何だっけ?備前とか何とか。

熱くもないのにずッと音を立てる。
眉間に皺を寄せて、何か考え込むように。

それでも側に寄ると皺を増やして頭を撫でてくれる。

そんな爺でありたいもんだ。
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