ゆめのなか/竹節一二三
 
あいしてる なんて
恥ずかしいことをつぶやいたのは
目をとじる一秒前

とけこむように夜になれば
のどの奥から舌をつたって
やわらかなわたしが外へ流れる
うごかない小指だけを
体に残して

天井の木目を数えながら
足は床板を踏みしめる

風を切る指先
雲を裂く肩
黒猫の尾が耳の上を通り抜け
小さく笑いながら歌をうたう

誰もが夢見る丑三つ時に
わたしは夜のゆめをみた
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