ゆめのなか/
竹節一二三
あいしてる なんて
恥ずかしいことをつぶやいたのは
目をとじる一秒前
とけこむように夜になれば
のどの奥から舌をつたって
やわらかなわたしが外へ流れる
うごかない小指だけを
体に残して
天井の木目を数えながら
足は床板を踏みしめる
風を切る指先
雲を裂く肩
黒猫の尾が耳の上を通り抜け
小さく笑いながら歌をうたう
誰もが夢見る丑三つ時に
わたしは夜のゆめをみた
戻る
編
削
Point
(2)