たとえばその日/ホロウ・シカエルボク
 
時にはそんな自分に縛られる一日だってある、気分屋だから、頑固だから、真面目だから、不真面目だからで何かが誰かよりも得だなんて事は無い、鳥は空を飛べるけど走ることは下手だ、魚は水の中では泳ぎ続けられるが陸に上がることは出来ない、肉食獣は獰猛だけれど群れを成して自衛に勤めることには向いていない、どんなやつだってどこかが秀でていればその分何かが欠けている、そこからバランスを選ぶのか特出した部分をさらに伸ばすことを選ぶのかはそれぞれの判断だ、もちろんそこには自分の人生や性格について意識的に生きているかどうかという前提がある、そこに立つことすら出来ずに無条件に自分を肯定し続けるだけの人生を送る者だってうんざ
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