はじめての赤ちゃん(story)/百(ももと読みます)
 
婦人科医のもとへと治療にゆくよう手助けをしてくださった。



 かれのおかあさんはわたしをひとりにしないようにかれの責任ととらえて。かれがメッセージの返信をしなかったことをわたしのまえで問いただして。



 それでもわたしは無力だった。病院にゆかないほうがかれのためだと考えた。わたしはわたしの子どもを大切にできなかった。



 我慢ばかりで意味もわからず爆発して。生きることに殺される想いで生きていて。あの日のかれをわたしは深く哀しませていた。



 かれとかれのおかあさんの差しだす救済の手を握りかえす努力をすこしもまともにしないでいた。

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