孤高/
栗栖真理亜
詩によって孤独な戦いを強いられている
木の葉が井戸に落ちて水の輪が拡がるように
深く深く地底まで潜り込むように
言葉は解釈を違えて迷子になる
託した想いは誰かの思いにすり替わっては
またいっそう重く言葉にのしかかる
まるで壁にべったり粘り付きながら
移動する蛞蝓のように
原稿用紙の文字を一文字ずつ消してゆく
行き止まりのその先の触覚の伸びゆくほうへ
低く抑え付けられた頭を上に
泡を噴きながら紡ぐ言葉の羅列をなぞる
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