等分の悲しみ/秋葉竹
 

悲しみは
等分だって知っている

たとえば切なさが

怒涛のように
つんざく神の声のように
この
みすぼらしいしおれたこころを
たたっ斬ったとしても

たとえば香港だろうが

たとえば上海だろうが

たとえばビッグアップルだろうが

たとえばプラネタリアンだろうが


世界において、
火は燃える。

燃えてなにかを覆そうとする
なぜそれほどの愛を
憎しみに変えるのかが
わからなくくらいのとても重い荷物を
み棄ててまでか、

災いの、罪深さよ、白砂となれ
白砂となり、愛を優しく奏でよ

なぜこれほどの
甚大な齟齬が生じたのか。

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