ランドン/牛坂夏輝
 
生まれる前の体毛を、
美しい少年の昼間の類型的な真実を、
骨をしゃぶりながら、
凝視し続けるの?」

ランドンは一〇〇年前に死んだ。
遠い雷を聞いて、
その瞬間、一匹の黒焦げの犬になっていた。

ランドンは、ハイドンの交響曲を部屋で聴く。
彼の目、
彼の引き攣る習慣。

一〇〇〇年前のランドンは、いまよりも少しだけ
饒舌だった。

「どうして、ランドンはミニトマトと対談しないの?」

以上が、ランドンの人生の物語だ。
ぼくは、鉛筆にオイスターソースをかける。


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