想起、夕刻のベランダにて(改訂)/ひだかたけし
風の涼やか吹く夕刻、
振り返る部屋の
うっすら黄に覆われ
振り戻り眼凝らす
西の地平の上の太陽
余りに燃え盛り
最早その輪郭掴めず
少しく病の苦痛の余り
確か二時過ぎから
サイレースにて
いったん強制終了
そうして二時間ほどか
肉体の眠り込みながらも
記憶意識の澄み渡り
苦痛取り除かれ
持続していた実感
止むことなく有り有りと
見上げる真正面に奇跡の如 、
半月の白銀に水の色空に煌々と
我、自らの彼方にも此方にも居ると
内を外を内を外を一廻りニ廻り
(混沌渦巻く闇 一時突き抜け)
、
内も外も大きく大きく包み込むもの感受する
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