老いとベンチ/多賀良ヒカル
 

一人の老人がベンチに腰掛け

腕時計を止め

目の前を過ぎ去る人はなく

街並みだけが歩いてる

過去が現在に蘇り

現在が過去へ逃げ去る

老いは今を知らない

知ることもない

今が消えて、

老いがベンチで休んでる

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